原題：i.d.
本編時間：104分
制作年：1995
制作国：イギリス・ドイツ合作
監督：フィリップ・デイビス
脚本：ジム・バンノン　ヴィンセント・オコンネル
製作：ルシアン・グローアー　サリー・ヒビン
撮影：トーマス・マホウ
出演：リース・ディンスデール　リチャード・グラハム　ペリー・フェンウィック　サスキア・リーヴス　クレア・スキナー
紹介：
英国サッカー協会　協力完全拒否！製作当時、フーリガンを本格的に扱った映画は本作だけだった！衝撃の暴動パニック・ムービー！
シャドウェルタウン・フットボールクラブの熱狂的なサポーター「フーリガン」達の犯罪行為を未然に防ぐため、送り込まれた潜入捜査官達。始めは仕事として、フーリガンの振りをする彼らだったが、サポーター達との交流や暴力の快楽を知るにつれ、次第に彼ら自身、フーリガンの虜となっていく…。現在でこそ、イライジャ・ウッド主演の『フーリガン』(2005）やその続編『フーリガン２ プリズン・ブレイカーズ』(2008)等、フーリガンの生態を扱った映画は複数作られているが、1995年当時でフーリガンがメインで登場した映画はこの『ザ・フーリガン』が初めてだろう。暴力的なコミューンに潜入した捜査官が、彼らの理念に同調していく構図。これは、環境テロリスト集団に潜入した主人公がテロ集団と共鳴する『ザ・イースト』(2013)と似ている（題名も似ているのは気のせいだろうか）。本作の原題は「i.d.」。規則や体裁に縛られた、警官としての模範的や生活と、暴れたい時に暴れ、飲みたい時に飲む、フーリガンとしての束縛の無い生き方。一体どちらが本当の自分なのか。アイデンティティーの根幹を揺さぶる深い人間ドラマでもある。フーリガン達の溜り場となっているパブで、ハメを外し過ぎた捜査官がウェイトレスに無理矢理キスをしてしまい、ウェイトレスの叔父であるパブのオーナーが「イエローカードだ！」と叫ぶ場面は最高に可笑しい（イエローで済むのか。普通レッドだろう）。監督のフィリップ・デイビスは、大人気英国ミステリードラマ『ホワイトチャペル　終わりなき殺意』のレイ・マイルズ役で日本でも人気沸騰中である。