原題：THREADS
本編時間：110分
制作年：1984年
制作国：イギリスBBC製作
監督・製作： ミック・ジャクソン（『ボディガード』『ボルケーノ』）
脚本： バリー・ハインズ（『ヒロインはサッカー選手』『ケス』）
製作総指揮： グレアム・マッセイ　ジョン・パーディー
撮影： アンドリュー・ダン　ポール・モリス
出演：リース・ディンズデール（『ザ・フーリガン』）　カレン・ミーガー　ハリー・ビーティ　リタ・メイ　ニコラス・レイン　デヴィッド・ブリアリー
紹介：
放射能は確実に人類を根絶やしにする。絶滅戦争=核戦争後に訪れる絶望の英国を描いたイギリスBBC製作のSFドラマ。
米ソ間で勃発した最終核戦争。英国にも210メガトン（広島の1万倍）の核兵器が落とされ、爆発・爆風・熱線により一瞬にして大量の市民が死ぬ。そして生き残った人々に待っていたのは、致死量の放射線が降り注ぎ、飢え、寒さ、伝染病が蔓延する地獄だった。復興は為されず、エネルギーは枯渇。法律も学問も失った未来では、言葉もおぼつかない子供たちが食料を求め彷徨っていた・・・全面核戦争が勃発した場合、果たしてどのような被害があるのか？物理学、医学、農学、心理学等、各分野の専門家を招集し徹底したリサーチを行なった脚本は、放射能がもたらす国家の滅亡を一切のヒューマニズムを排して描いている。本作が他の多くの仮想核戦争ものと一線を画すのは、核兵器投下から10年以上先までを描き、国が再建されず人間の尊厳さえも失う未来を提示している事にある。飢えを満たすため、放射線に汚染された羊の死骸を切り裂き、生肉に齧り付くシーンには目を背けたくなってしまう。観賞後は耐えられない辛さを感じてしまうかもしれないが、現代を生きる全ての人々が観るべき必見作である。日本では1984年の8月9日（長崎原爆投下の日）にテレビ東京で放映されている。その英断には敬意を表したい。監督のミック・ジャクソンは『ボディガード』で世界的ヒットメーカーとなり、火山灰がLAを襲う『ボルケーノ』でもその手腕を発揮している。